
食材を加熱せず、栄養や酵素をできるだけ多く摂取できるように作られた体にやさしいロースイーツ。遠野市で専門工房「天使のはしご」を構える夫妻に、ロースイーツの魅力をお聞きした。
ロースイーツのロー(RAW)は「生」という意味。野菜、果物、ナッツなど自然の生の食材を48度以下の非加熱で焼かずに固めて作るため、酵素、ビタミン、ミネラルなど素材が持つ栄養素を効率よく摂取することができる。小麦粉、乳製品、卵、砂糖は用いず、甘味はアガベシロップ、メープルシロップ、デーツなど自然由来のものを使用。子どもから年配まで、おいしく健康的に楽しめる。
妻がロースイーツに出会ったのは5年前。生まれつき食事制限・糖質制限が必要な病気のある家族に、我慢せずスイーツを食べてもらいたい―。そんな願いの中、アレルギーを引き起こす原因となる小麦粉や乳製品などを一切使用しないロースイーツの存在を知り、すぐさま作り方を学びインストラクターの資格を取得。3年前、夫の定年退職を機に都内から実家のある遠野に移り住み、昨年念願の工房を構えた。
ラインナップは4種類のホールケーキタルトのほかミニケーキ3種とマンディアン2種、板チョコなど。いずれも植物性の自然素材を用い、栄養素も豊富でありながらしっかりと甘さも感じられ満足感たっぷりだ。
予約販売のみで、オンラインショップから購入できるほか、店頭での引き取りを希望する場合はメールも可。関東や関西、九州からも注文が寄せられ、リピーターも多い。妻は「病気やアレルギーなどで甘いものを控えなくてはいけない人にも楽しんでもらえるのがロースイーツの魅力。食べた人が元気になるエナジーフードだと思っている」と笑顔をみせる。夫も「妻しか作れない優しいスイーツ」と太鼓判。これからもロースイーツの魅力を遠野から広めていく。
一押しロースイーツ

ブラック(左下)は有機ローカカオバター、有機ローカカオパウダーと自然由来の甘味料のみ使用。ナッツ類やカカオニブ、クコの実などのトッピングが目にも楽しい。ホワイトは、ホワイトチョコレートの中にアーモンド・カシューナッツ、ピスタチオ・遠野産ブルーベリーパウダーなどをトッピング

タルト部分は生アーモンド、フィリング部分は生カシューナッツをぜいたくに使用。白砂糖、乳製品は使わず、なめらかでクリーミーな味わい

カカオ75%のチョコレート。砂糖、乳脂肪不使用ながら濃厚で、カカオの香りが口いっぱいに広がる。血糖値上昇の緩やかなアガペシロップを使用しており、普段は甘いものを控えている方も気軽に楽しめる
(いわにちリビングun 2025年4月11日号掲載 特集「ロースイーツ」より)