ヘラルボニー(盛岡市)で代表取締役を務める双子の松田文登さん、崇弥さん(ともに金ケ崎町出身)の著書「異彩を、放て。『ヘラルボニー』が福祉×アートで世界を変える」が、10月19日に発刊。生い立ちから起業に至るまで、現在の活動と今後の展望をつづっています。
ヘラルボニーは「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験ユニット。社名の「ヘラルボニー」は両代表の兄で、知的障害のある翔太さんが7歳のころに記した謎の言葉です。「一見意味がないと思われるものを世の中に新しい価値として創出したい」という意味が込められています。
日本全国の福祉施設や作家本人と契約を結び、アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッション、インテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」を運営。建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」なども展開しています。
初の書籍は5章構成。第1章「お兄ちゃんと僕」は、「『ふつう』じゃないって、かわいそうなの?」からしたため、「人生で初めて別々の道へ」「小山薫堂さんの薫陶」などの転機がまとめられています。
第2章「『るんびにい美術館』との出会い、『MUKU』の誕生」、第3章「ヘラルボニー始動!」、第4章「コロナ以前、コロナ後」と続き、第5章「『異彩を、放て。」―「障害者」という枠を越えた未来へ』は「覚悟の意見広告」「八重樫季良さんがもたらしたもの」を記録しています。
四六判、191ページ。新潮社発行。定価1650円。