一関・栗原をイメージの源泉に 風の沢ミュージアム企画展「つづり思考」 4月22日から

 宮城県栗原市の風の沢ミュージアムで企画展「つづり思考」が開催されます。同県出身の画家・浅野友理子さんが、一関や栗原の人々の営み、土地の記憶を描いた作品を展示。鑑賞した人が生活の中で日々つづっている「自分の物語」に思いをはせるきっかけとなることを意図しています。期間は4月22日から8月20日まで。

 浅野さんは主に東北各地を訪ね歩き、植物と人々の営みが絡み合う様子を、記録するように絵画に落とし込んできました。日本画の顔料を使って独特の生命感を表現する作風です。

 特に祖母の出身地である栗原市、県境を挟んで隣接する一関市へは2年ほど前から何度も訪問。山菜料理を味わったり、大籠地区で削り花の作り方を教わったり、地域の人々と対話を重ねて制作。企画展は「削り花と祈り」「受け継がれる藍の種」「伊豆沼とともに生きる人々」「文字地区の食文化」という四つのテーマで構成されています。

 中でもメインとなる八曲一隻(幅約7.2m、高さ1.8m)の屏風は、栗原市栗駒文字地区の山間の集落に平安時代から受け継がれて来た「正藍冷染」から着想した大作。技術を守り続け、現在は地域で唯一の藍農家となった千葉家の人々との交流から生まれました。親から子へ、手から手へと渡されてきた「藍の種」、一反の布の背景に隠れた膨大な物語を鮮やかに表現しています。

 「受け継がれる藍の種」をテーマとした作品

 また「伊豆沼とともに生きる人々」をテーマとしたエリアでは、かつて漁業をなりわいとした人々が実際に使用していた笹舟に直接絵を描き、立体作品として展示しています。

 同ミュージアムを運営する風の沢合同会社は「ぜひ足をお運びになり、作家の世界観の一部に連なる感覚を現場で体感していただければ幸いです」とPRしています。

風の沢ミュージアム2023年度企画展「つづり思考」
会場:宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11
期間:4月22日~8月20日
時間:午前10時~午後5時(最終入場4時30分)
定休日:水、木曜日

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