2023年9月21日の宮沢賢治没後90年を迎える前に、賢治作品を天文学から読み解く『賢治と「星」を見る』が、8月25日に刊行されます。「この本は宮沢賢治の生涯を天体で物語るプラネタリウム。一緒に星空の旅に出ませんか」とPRしています。
著者は天文学者の渡部潤一さん。同書では「銀河鉄道の夜」について「登場する数々の星たちや星座に関する記述は、天文学者の目から見ても、かなり正確で、賢治の宇宙に関する知識が当時としては、半端なものではなかったことがわかる」とたたえています。
「賢治の生きた時代へ」「教師、宮沢賢治の星空」「賢治、大地に根ざす」「ふたたび石に向きあう」「そして、宇宙へ」の5章立て。「月夜のでんしんばしら」「雪渡り」「よだかの星」「永訣の朝」など多数の童話や詩、手紙も取り上げています。
NHK出版発刊。四六判並製、256ページ。税込み1815円。
渡部潤一 1960年福島県生まれ。2006年、国際天文学連合の惑星定義委員として準惑星というカテゴリーを誕生させ、冥王星をその座に据えるなど世界的に活躍。国立天文台副台長を経て、同天文台上席教授。総合研究大学院大学教授。日本文藝家協会会員。