「カフネ」本屋大賞 阿部暁子さん(花巻)「これからもいい物語を」

 花巻市出身、在住の作家・阿部暁子さんの「カフネ」が、全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ「2025年本屋大賞」に輝きました。阿部さんは受賞コメントで、「頂いた大きな贈り物に応えられるよう、これからもいい物語を書き続けていきたい」と応援への感謝を伝えました。

 小説「カフネ」は、食と愛を描いた物語。法務局に勤める野宮薫子が最愛の弟を亡くし、遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会うことに。やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝い始め、食べることを通じて2人は距離を縮めていきます。第8回未来屋小説大賞、第1回「あの本、読みました?」大賞に続く三つ目の賞を獲得しました。

 阿部さんは2008年、「屋上ボーイズ」(応募時タイトル「いつまでも」)で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。青春ファンタジー「どこよりも遠い場所にいる君へ」はベストセラーとなり、車いすテニス選手と競技用車いす製作者を描いた「パラ・スター」2部作は“本の雑誌が選ぶ2020年度文庫ベスト10”で1位に選ばれました。ほか「また君と出会う未来のために」「金環日蝕」「カラフル」など。

 「カフネ」は講談社発行。四六判並製、税込み1870円。

 2025年本屋大賞の発表会は4月9日、明治記念館で開かれました。「カフネ」を除く受賞作は次の通り。

②早見和真さんの「アルプス席の母」
③野崎まどさんの「小説」
④山口未桜さんの「禁忌の子」
⑤青山美智子さんの「人魚が逃げた」
⑥恩田陸さんの「spring」
⑦一穂ミチさんの「恋とか愛とかやさしさなら」
⑧朝井リョウさんの「生殖記」
⑨金子玲介さんの「死んだ山田と教室」
⑩宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」

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