
北アイルランドの写真家フィリップ・アーニールによる写真集「Tokyo Jazz Joints 消えゆく文化遺産 ジャズ喫茶を巡る」が刊行されました。2023年にドイツで発売され、国境を超えて高い評価を得た一冊の日本語版。一関市のBASIEとROYCE、奥州市のRAY BROWNなど国内76店舗を紹介しています。
ジャズ喫茶は、静かな空間で高音質のジャズに耳を傾け、コーヒーや酒をたしなむ日本特有の文化。アーニールは、時代とともに消えつつあるジャズ喫茶を記録しようと3年以上かけ、全国津々浦々で撮影しました。
東京のジャズ喫茶いーぐる、京都のjazz spot YAMATOYAなどの名店や、現在は閉店してしまった幻の店も掲載。一軒一軒のまとう空気、質感も写し出されています。
ハードカバーの原書から仕様を変更し、日本語版はコンパクトなB5判型横長。巻末にはアーニールの書き下ろしテキストを追加収録。初刊行から2年たった現在の心境、2025年の来日の記録、今後のプロジェクトについてなど、日本語版への思いが込められています。
発行した青幻舎は「アーニールの視点がとらえた風景は、日本人自身が見過ごしていた文化の独自性・豊かさを再発見し、刻々と失われつつある場の価値に気づかせてくれます。本書はガイドブックではなく、日本のジャズ喫茶とバー文化への、写真によるオマージュです」とPR。176ページ、税込み4180円。Amazonでも購入できます。
