

花巻市出身の加賀谷きよいさんの作品「天を朱に染め―御伽草子異聞―」が、新人作家の登竜門とされる日本ファンタジーノベル大賞に輝きました。受賞作は「小説新潮」2025年12月号に抄録が掲載され、単行本が2026年初夏に刊行予定です。
応募総数399作品のうち大賞候補4作品が最終選考会に進み、恩田陸さん、森見登美彦さん、ヤマザキマリさんの議論により決定。加賀谷さんの受賞作について、恩田さんは「酒呑童子の説話を下敷きにした作品であるが、おなじみのキャラクターの肉付けがいきいきとしていて、おかしみもあり、読んでいて素直に楽しめた」、森見さんは「最終候補作の中では『うねりのあるストーリーを語ろう』という心意気が最も強く感じられた」、ヤマザキさんは「殺伐とした今の世の中を意識せずには読めない」と選評しました。
加賀谷さんは1980年生まれ、東北大卒業。サカキヤヨイ名義で2022年に絵本「100億キロメートルの旅」、2025年に絵本「星をおとした少女」「えーあいパパ」(絵を担当)をみらいパブリッシングから出版しています。
受賞作は、異質な者たちとの闘いや共存、羨望や嫌悪といったテーマを、酒呑童子伝説をモチーフに描いた物語。加賀谷さんは受賞の言葉として「空想の旅にでも出かけなくては、とても生きていけないような日々もあると思うのです。そんな時、わたしにとってファンタジーの世界はなくてはならないものでした」とつづっています。
「小説新潮」2025年12月号(11月21日発売)は税込み1000円。
