たちまち重版、話題沸騰の「金環日蝕」 100ページ試し読みも 花巻市出身・阿部暁子さん近著

 花巻市出身の小説家・阿部暁子さんの近著「金環日蝕」の人気が高まっています。「犯罪と私たち」を真摯かつ巧緻に描いた410ページの力作。現在、電子書籍の閲覧システム「YONDEMILL(ヨンデミル)」で冒頭100ページを期間限定公開中。発行の東京創元社は「主人公たちが事件と遭遇し、どんな道筋を追う事になるのか。ぜひこの機会にご一読ください!」とPRしています。

 知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬と犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人探しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだった―。

 物語の途中で語り手が変わり、複雑に絡みあった糸がほどけていく展開は一気読み必至。人の善悪のバランスの危うさと、その先にある人を信じる強さと希望が描かれています。全国の書店員からは「次第に明らかになる真相に『参りました』と言いたくなる」「キャラクターの魅力が素晴らしいです。このコンビはこの物語だけで終わらせるべきじゃない。読み足りません!」など絶賛の声が寄せられたそう。

 阿部さんは2008年、「屋上ボーイズ」(応募時タイトル「いつまでも」)で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。青春ファンタジー「どこよりも遠い場所にいる君へ」はベストセラーとなり、車いすテニス選手と競技用車いす製作者を描いた「パラ・スター」2部作は“本の雑誌が選ぶ2020年度文庫ベスト10”で1位に選ばれました。ほか「鎌倉香房メモリーズ」(全5巻)、「また君と出会う未来のために」「室町繚乱」など。

 「金環日蝕」は四六判仮フランス装。定価1980円(税込み)。電子書籍も取り扱っています。

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