LOVEねこさんのために 保護猫のことをたくさんの人に知ってほしい

里親になる、支援する、理解する。
猫のためにできることとは

 猫ブームが盛り上がる一方、殺処分される猫は全国でいまだ約2・7万匹(2019年度)に上っている。「殺処分をなくしたい。ペットの聖地をつくりたい」。そんな思いで14年に発足したのが滝沢市にある「ペットの里」。20年には施設内に保護猫カフェ「もどき」がオープン。個性豊かな猫たちと触れ合え、猫と暮らしたいと考えている人は猫との”お見合い“もできる。

 ペットの里は保健所やボランティア団体から犬猫を引き取り、里親希望者に譲渡する保護施設。岩手山の麓に広がる敷地は約12万坪。以前は企業の保養施設だった建物に、約50匹が暮らす犬舎、保護猫カフェを兼ねた猫舎があり、5000坪のドッグランを目当てに訪れる愛犬家も多い。21年にはペットと利用できるキャンプエリアも開所。ペットの里代表理事の田中亜弓さんは「広さを生かしてさらに楽しい場所にしたい。それが保護動物を知ってもらうきっかけになる」と”里“の充実に力を注ぐ。

【保護猫カフェもどき】今の季節、猫たちの人気スポットは断然こたつ。触れ合いは猫のペースに合わせて。FIVキャリアの保護猫が暮らす別室もある

 田中さんは福井県出身。「いつか動物のための施設を作りたい」と思いながら25年ほど東京で働き、「とにかく広い場所」という理想に合った物件と巡り合って夢をかなえた。規模にこだわったのは、「保護はもちろん、大勢の人が集まれるように」。保護猫カフェも「たくさん見てほしい」という思いで開いた。それ以前は里親希望者のみを猫舎に案内していたが、「皆さん滞在時間が長い。ゆっくり楽しんでもらおう」と開放。こたつの中で団子状になっていたり、窓辺でまどろんでいたり、急にじゃれ合い始めたり…。広々としたカフェ内で暮らす猫たちはみんなのんびり、マイペース。そんな猫たちの姿が訪れる人を和ませ、「家では飼えないけれど猫に会いたい」と訪れる常連も多い。入場無料だが、活動に賛同する来場者からの募金も増え、保護猫への支援の輪が広がっている。

【里親さん募集中】さまざまな事情で保護され、お迎えを待っている猫たちの名前や性格を紹介。おっとり、やんちゃ、食いしん坊…など個性もいろいろ

 発足当初3匹だった保護猫は、現在約80匹。避妊去勢手術をせずに子猫が増えてしまった、野良猫を餌付けしていたら増えて困っている…という相談も後を絶たない。「猫は外に出さない、手術をする。かわいいからこそ責任を持って飼ってほしい」と話す田中さん。高齢者も安心して猫を飼えるように「ペットの安心信託」の取り扱いも始めた。「猫との暮らしが高齢者の健康や生きがいにつながれば」と願う。

 田中さんが目指すのは、ペットの里をテーマパークのような楽しい場所にすること。なぜなら「ここはかわいそうな保護施設じゃなく、これから幸せになるコたちが暮らす、幸せな場所でなくてはいけない」から。保護猫、保護犬とたくさん遊んで、人も動物も笑顔になってほしい。そして「ペットと出会う選択肢の一つになればうれしい」と願っている。

【ドッグランも人気】目の前に岩手山がそびえる自然豊かなドッグラン。敷地内にはキャンプエリア、土日祝限定のピザ工房もある

ペットの里
滝沢市鵜飼臨安102
019・601・7775(平日9時~17時)
https://pets-sato.net/

保護猫カフェもどき
営/11時~16時(最終入場15時30分)
・土・日など混雑時は入場制限あり
・入場無料、お気持ちを募金箱へ
・おやつの購入代でも活動を支援できる
・ドリンクはセルフサービス

(いわにちリビングun 2021年12月30日号掲載 ねこ♡特集より)

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