「熊はどこにいるの」谷崎潤一郎賞 木村紅美さん(盛岡)最高傑作

 第61回谷崎潤一郎賞(中央公論新社主催)は、木村紅美さんの「熊はどこにいるの」(河出書房新社刊)に決まりました。

 8月29日の選考会で池澤夏樹さん、川上弘美さん、桐野夏生さん、堀江敏幸さんが審査。選評は10月10日発売の「中央公論」11月号に掲載予定です。贈賞式は10月21日に都内で開催されます。

 受賞作は自他ともに認める「最高傑作」。M市で発見された身元不明の幼児を巡り4人の女性を描いた長編小説です。

 木村さんは2020年に東京から盛岡へ移住。おいの育児に携わった経験、同時期に岩手県内で発生した乳児の死体遺棄事件を踏まえ、三陸沿岸や早池峰山麓の景色を反映させました。

 「熊はどこにいるの」は四六判192ページ、税込み1980円。

 きむら・くみ 1976年生まれ。2006年に「風化する女」で第102回文學界新人賞を受賞しデビュー。2022年「あなたに安全な人」で第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。著書に「月食の日」「夜の隅のアトリエ」「まっぷたつの先生」「雪子さんの足音」「夜のだれかの岸辺」など。

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