住みます芸人・けせんぬまペイ!さん 気仙沼のおいしい魅力を全国にPR

 けせんぬまペイ!さんが今年1月、“気仙沼住みます芸人”に着任しました。東京都内から宮城県気仙沼市に移住して10日余りで「フカカツ(復活)気仙沼プロジェクト」が始動。考案したメニューの第一弾「気仙沼フカカツ(復活)サンド」セットを手始めに、気仙沼の海の幸や、味わい深~い魅力を全国にPR。「気仙沼の大人気ゆるキャラ『ホヤぼーや』先輩を超えられるよう日々頑張ります! よろしくお願いします! ペイ!!」と名乗りを上げました。

 気仙沼市は、岩手との県境に位置する沿岸のまち。東日本大震災で甚大な被害を受けましたが、2019年には気仙沼大島大橋、21年に気仙沼湾横断橋「かなえおおはし」が開通。NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台となるなど、観光地としても盛り上がりを見せています。このプロジェクトは気仙沼市と、気仙沼の水産・観光業を担う老舗企業の阿部長商店、吉本興業の共同事業です。

 けせんぬまペイ!さんは群馬県出身。芸人と料理人で進路を悩んだ結果、まずは料理の道へ。専門学校でイタリアンとフレンチを学んだ後、タイ料理屋で腕を振るい、幅広いレパートリーと調理師免許を持っています。現在は芸歴10年目のピン芸人。お笑いの道に転身してからも料理好きは変わらず、出張費50円でファンに手料理を振る舞うなど、芸とともに料理の腕も磨き続けてきました。

 この経歴を生かした気仙沼のPRプランは、サメ、メカジキ、ホヤが3大テーマ。第一弾のメニューに選んだフカカツ(サメ肉のカツ)は地元ではなじみの味ですが、国内の消費拡大が“気仙沼復活”の要となります。サメの水揚げ、フカヒレ生産ともに日本一のまち・気仙沼でモウカザメのメニューを開発し、フカヒレに並ぶ看板商品として全国に広めることが狙いです。

けせんぬまペイ!さんが開発した新メニュー「気仙沼フカカツ(復活)サンド」。リアスキッチンでセット販売し、テークアウトもOK(写真は阿部長商店提供)

 この使命を託されたのが「気仙沼フカカツ(復活)サンド」。鮮度にこだわったモウカザメは臭みがなく、身を叩いて揚げたカツはボリュームたっぷり。みんな大好き照り焼きソースに、気仙沼産の大玉「波乗りトマト とまたん」の酸味と食感がぴったり。ふんわりとしたキャベツを載せ、フライドオニオンを振り掛け、魅惑のスイートチリマヨソースで甘辛く仕上げています。

 「気仙沼フカカツ(復活)サンド」は気仙沼チャウダー、ポテトとセットで税抜き975円。リアスキッチンで販売中で、けせんぬまペイ!さんが厨房にいるときは自ら作り、お渡しまで担当します。隠し味は移住前からの芸「ペイ!」。「ギャグをトッピングして完成するメニュー。ひと笑いしてから食べるとおいしさが違いますからね」

 観光客は素材の味を、地元の人は新しい味を求めている―。開発、販売を経て来店客の希望を感じ取った、けせんぬまペイ!さん。「クセのある味で、唯一無二じゃないと」。まずは地元で愛されるメニューをつくり、気仙沼に地盤をつくるのが1年目の通過点。2年目以降は全国に活動の幅を広げ、行く先々で気仙沼をPRしたいところ。「岩手にもこの名がとどろくよう頑張りたい。将来的には気仙沼か一関でオリンピックを開催するのが野望ですね。冬がいいかな、夏にしようかな」と、夢も話も膨らみます。

 阿部長商店の阿部泰浩代表取締役社長は「どこかのキャッシュレス決済サービスのような名前の通り、気仙沼に利益をもたらす仕組みをつくっていただきたい」と激励。菅原茂市長は「けせんぬまペイ!さんと阿部長商店さんのセンスとノウハウで気仙沼を売り込み、ご自身も大きくなっていくよう願っています。『おかえりモネ』の勢いを受け継いでいただきたいです」と期待を込めます。

※編集部注)けせんぬまペイというキャッシュレス決済サービスはありませんが、リアスキッチンはキャッシュレス決済が可能です。

 味の決め手にもなっているペイ!のポーズは、右手の親指と人差し指を輪にして「P」をつくり、前に差し出す仕草。肘を伸ばすとポーズを決めやすいそう。写真を撮る際に「ペイ、チーズ」と声を掛けるのがオススメの使用シーン。リアスキッチンでも街中でも、けせんぬまペイ!さんを見かけたら「ペイ!」と声を掛けてみましょう。どんなに遠くても、よく響くいい声で返ってきます。「ペイ!!」

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