ノイモンドブルーイングは商店や飲食店が集まる一関市の市街地に、2022年に誕生したばかりのマイクロブルワリー。豊富なドリンクメニューと創作料理が人気の居酒屋「和酒Diningもんど」が新事業として設立し、7月に醸造開始、8月に最初のビールが完成。全国地ビールフェスティバルin一関(※)で知られる地ビールを愛するまち・一関に新たな風を吹かせている。
「ブルワリー併設は飲食店の究極形だと思い、いつかやりたいと思っていた」と話す「もんど」店長の佐藤哲さん。コロナ禍の逆境を力に変え、国の補助金を活用して念願のブルワリー開設をかなえた。佐藤さんのラブコールに応えて醸造長に就任したのは、クラフトビール好きのスタッフ・菅原裕さん。醸造所の工事期間中を利用して、岩手の地ビールの草分けとして知られる同市の「いわて蔵ビール」で修業した。「蔵ビールさんは何でも相談でき、力になってくれる心強い存在。近くに蔵ビールさんがあったから挑戦できた」と佐藤さん。先輩ブルワーたちの支えに感謝している。
もんど店内で出来たてのビールが飲めるよう、タップコーナーの設営など改装工事が進行中。ビールの種類は「試行錯誤しながらいろんなスタイルを造っていく」(菅原さん)つもりで、出来たばかりの「ウェブラウザー」はトロピカルフルーツのような香り、「セレクトオール」はシトラス系の香りが華やかなヘイジーIPA。当面はホップをふんだんに使ったタイプに力を入れる。
初回の仕込みではモルト感強めのペールエールも造り、「FIRST BOOT(=始動)」と名付けて8月5日の一関夏まつりに合わせてお披露目した。「近所の方が買いに来てくれるなど、興味を持ってくれる人がいてうれしかった」と佐藤さん。「ただビールを造る場所ではなく、一関の皆さんに愛され、観光面でも貢献できるようなブルワリーにしたい」。店内改装、ビールに合うメニューの提案、将来的には缶ビールの発売も考えている。
※2022年8月に予定していた第25回の開催は延期
(いわにちリビングun 2022年9月9日号掲載「街角ブルワリー」特集より)