柚月ミステリーの新境地「教誨」 反響続々「感情を揺さぶる」「罪と罰の真髄を見た」

 釜石市出身の作家・柚月裕子さんの1年ぶりとなる長編小説「教誨」が好評販売中です。女性死刑囚の心に迫る本格的犯罪小説。柚月さんは「響子が交わした約束とはなんだったのか、香純と一緒に追いかけてください」と呼び掛けています。

 吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。

 ベストセラー「孤狼の血」「慈雨」「盤上の向日葵」に連なる“柚月ミステリーの新境地”と銘打った新作について、柚月さんは「自分の作品のなかで、犯罪というものを一番掘り下げた作品です。執筆中、辛くて何度も書けなくなりました。こんなに苦しかった作品は初めてです」と語ります。

 エムズエクスポ花巻店の菅野樹さんは「重厚かつリアリティに満ちた社会派小説。人の深き業を完璧に書き切っており、読む者の感情を揺さぶる。ラストの一言には強くうなずくほかない」と評し、俳優・黒木瞳さんは「悲しい物語ではあるけれど、罪と罰の真髄を見た気がして心が震えた」とコメント。全国の書店員からも「涙が止まりませんでした」「〝罪を憎んで人を憎まず〟という言葉を、本当の意味で初めて理解できた」といった反響が寄せられています。

 四六判、320ページ。小学館発行。定価1760円。

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