遠野市出身の作家・若竹千佐子さんの初エッセー集「台所で考えた」が、11月25日に発売。家事をしつつ見いだした、台所目線の哲学がつづられています。
若竹さんは1954年生まれ、岩手大教育学部卒。幼いころから「作家になる」という夢を持ち続け、主婦業の傍ら、55歳で小説講座に通い始めました。8年がかりで「おらおらでひとりいぐも」を執筆し、2017年に63歳でデビュー。翌年、同作で芥川賞を受賞し、2023年に第2作「かっかどるどるどぅ」を刊行しました。
エッセー集は「一さじのカレーから」をはじめとした36編で構成。このうちNHK「こころの時代」でも反響があった「ドラゴンボール」の章は、幼い息子のほほ笑ましい勘違いから、永遠の命について語らう夫婦を通じ、「独りになった妻」の気付きがしたためられています。
四六変型判、168ページ。河出書房新社発行。税込み1595円。Web河出では、「母に会う」の章を無料公開しています。