大槌町でジビエ事業を営む「大槌ジビエソーシャルプロジェクト(OGSP)」は、これまで活用してこなかった鹿の骨で新商品を開発中。近年、SDGsの観点からも注目を集めている料理「ボーンブロス」は、動物の骨を長時間煮込んだ栄養のあるスープ。「害獣」を「まちの財産」に変える挑戦をPRしています。
野生鳥獣による農作物の被害の3分の1を占めるという鹿。岩手県では年間約2万頭が捕獲されていますが、活用方法は限られ、焼却や埋設などの処分方法で廃棄されています。
OGSPは鹿肉のジビエ料理、角や革のハンドメイド雑貨などがある中、まだ活用されていない「骨」に着目。大槌の老舗料理店「割烹 岩戸」の協力を得てボーンブロスを開発しました。割烹では通常、肉を使わないため、洋食の手法を参考にして和食に仕上げたそう。大槌の良質な湧水を飲み、豊かな森林で木の実を食べ、健康的に育った鹿からは、豊富な栄養素を含んだ出汁が取れました。
ジビエ文化をさらに広めたいと、クラウドファンディングサイト「ready for」でもPR。ボーンブロスや鹿肉の食べ比べセット、割烹 岩戸のフルコース、角まるごと1本、革キーホルダーなど多様なリターンを用意しています。寄せられた資金はボーンブロスの材料費、商品開発研究費、パッケージ費用などに活用予定。申し込み締め切りは10月2日。
OGSPは「ジビエを通じて持続可能な社会を実現させます。そのためにはまずは身近にある鳥獣被害という課題を町の新しい価値へ変え、日本が誇れる文化にしていきます」と意気込んでいます。